入稿データと紙原稿
原稿を入稿する場合、以前であれば手書きの紙原稿と写真のフィルムなどが受け渡されていました。パソコンが普及した現在では、手書きの原稿は少なくなり、原稿データがフロッピーディスクやCD-R、MO、DVDといったメディアを使って受け渡されるようになっています。
手書きの原稿に比べると、著者が自分で入力したテキストデータはそれだけ信頼性が高いという考え方もあるかもしれません。データ入稿だから紙は要らない、と考える人もいるでしょう。
しかし、実際には入力ミスが多い原稿も少なくなく、手書き原稿を元にプロの入力者が入力した場合のほうがかえって間違いがないということもないわけではありません。
また、デジタルデータは簡単にメディアや環境を移動させることができるため、知らないうちに形が変わってしまう可能性もあります。そういった場合に問題を発見し、トラブルを未然に防ぐには、やはり紙の原稿の存在が重要になってきます。
環境が違うだけで簡単に形を変えてしまうデジタルデータの不安定さをフォローするためにも、原稿を作った人がプリンタから出力し、確認した、信頼できる紙原稿が必要なのです。
(田村 2007.1.29初出)
(田村 2016.6.29更新)