電子書籍とは何か
電子書籍とは、印刷された本ではなくデジタルデータの状態で流通し、閲覧される電子的な「本」のこと。物理的な実体がないので、閲覧するためにはパソコンや閲覧用デバイスなど画面を備えた装置が必要になります。
Webとの違いは、パッケージ化されているという点。Webの場合、データはサーバに置かれており、ユーザーはインターネットに接続して読むというのが前提になります。一方、電子書籍は配信でサーバが使われるものの、手元のデバイスにデータをダウンロードして読むため、インターネットに接続していなくても、また、データがサーバから削除されても読むことができます。
電子書籍のメリット
電子的なデータであるということは、出版社にも読者にもさまざまな影響をもたらします。ここで、読者および出版にとっての電子書籍の主なメリットを挙げてみましょう。
読者にとってのメリット
- 場所を取らない
- 文字の大きさなどを自由に変更できる
- 紙の本より安く手に入るものが多い
- いつでもどこでも購入できる
- いつでもどこでも読める
- 複数デバイスの同期が可能
- 在庫切れになることが基本的にない
- 訂正やアップデートが簡単に入手できる
- 読みながらWebサイトや辞書を使って調べ物ができる
- 検索が可能
- FacebookやTwitterなどソーシャルメディアとの連携が可能
出版社のメリット
- 印刷費が要らない
- 流通経費を軽減できる
- 返本がない
- 在庫保管コストが不要
- 新たな読者層を開拓できる可能性がある
- マーケティングにWebなどインターネットを活用できる
- 海外での販売が簡単になる
- 古書店に流れて売り上げを圧迫するという心配がない
もちろん、メリットばかりではなく、電気が必要とか印刷物よりデバイスのほうが壊れやすいなどデメリットもあります。上で挙げたメリットも、立場や見方を変えればデメリットになりかねないものが少なからず含まれています。要は使い方しだいということでしょうが、少なくとも電子書籍に対する潜在的ニーズはかなりあり、今後急速に普及することが見込まれます。
次に電子書籍を出版するために必要となる知識を印刷物との比較をしながら見ていきましょう。